Entries from 2011-01-01 to 1 year

カウンセリングの基本と最大の難関

対話その1 学生:あの、私の英語力では不安なので、ミーティングに通訳をお願いしたいのですが。 カウンセラー:あら、あなたの英語はとても上手よ。あなたはほとんどのクラスメートよりよくできるわよ。対話その2 学生:あのとき、A先生がとても恐かった…

言うべきか言わざるべきか

今朝、ラボのオープン前にネットをみながら朝食のパンをかじっていると、ドアのガラス窓越しに覗く目があった。応対してみるといつもは見ない顔。だが両目に涙をうるませて今にも感極まりそうだ。「あなたミホ?ちょっと話を聞いてくれない?」という。で、…

レッテル

今日ラボでちょっとした「事件」があった。見かけない顔がやってきて質問するので、学生アルバイトのジルに頼んで手伝わせた。しばらくするジルが私のところへやってきて「こういう情報がほしいって言っているが、どこを調べたらよいかわからない」という。…

災害時の「こころのケア」手引書

東京都福祉保健局がわかりやすいパンフレットを提供しています。 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf ハワイ固有で最も古くから自生するハプウ(シダ)。春になるとを身を寄せ合うようにして芽吹く、というよりは「…

悲しみの三段階

東北大地震があって2週間たつ今でも、近所の人や職場の仲間から「ご家族や友人は大丈夫ですか」と、真に思いやりあふれる質問をされる。今日も車を発進させかけたある教師が車の中から声をかけてくれた。昨日は障がいのある学生から、「まだ幼い子どもを失っ…

カウンセリング的な場

コクア・ラボにはいろいろな機能があるが、場所がひとつしかないというジレンマについて前回書いた。でもタイミング的にうまくいけば、異なる機能をちゃんと発揮できる。先日、社交的なヘレンがやってきて、来年度の奨学金の申請に苦労しているという話を私…

コクア・ラボ

東北地方太平洋沖地震で被災した方々を埼玉アリーナが受け入れるというニュースを知った。埼玉アリーナは本来スポーツとかコンサートの施設だろうが、しばらくは未曾有の地震で住処を失った人たちの仮設住居となるという。埼玉アリーナのオーナーは、建設当…

「障がい者らしくない」障がい者

ボルケーノ村の朝焼け 今日ラボに優等生タクが顔を出した。彼は受講してきたすべてのクラスで優(A)をとっていて、今度の5月で卒業する。夏からはアリゾナ大学に転入が決まっており、聾のお母さんに育てられた影響からか、将来は言語療法士か言語聴覚士(…

火山噴火!

http://tinyurl.com/4ed3d9k 先週末から噴火しているキラウエア山系のプウ・オオ火口。英語ですが、ビデオをお楽しみください。

コクア・ラボ

コクア・ラボのある日。奥の後ろ姿、コンピュータ−に向かう二人は障がい学生サービスセンターに登録している学生。中間試験に向けて猛勉強中。手前の向き合った二人は学生アルバイト。左は会計学専攻、右は医学部進学予定の学生。障がい学生から質問があれば…

直球コミュニケーション

これはだいぶ前にあったことで、書きとめるまでもないと思っていたが、何回も人に話すことになり、実は自分でもハナマルエピソードだと思っているのがわかったので、書きとめることにした。 ハワイ島名物アップル・バナナ マーカスはオアフ島育ちの若い学生…

アドボカシーの三歩目と四歩目

前号で、アドボカシーの最初の二歩について書いた。最初の一歩が障がい者自身が不満や要望を訴えること、二歩目がそれを最初に聞くカウンセラーなどの専門家(または近い家族・友人でもいい)がしかるべき判断と行動をとること。でもアドボカシーはここで終…

アドボカシーの最初の二歩

テトとモコの昼寝→ 先日、自分の仕事がいかに障がい者の心の健康維持に一役買っているか、思い知らされるいい「事件」があった。 ある朝、コクア・ラボに精神障がいのある学生ローラがやってきて、感想文の添削結果を私に見せた。真っ赤に直されていて8点満点…

視覚障がいとセクハラ

←モコとテト 仲良く昼寝 コクアラボに来るレギュラーに全盲のジョージがいる。クラスの前にここでノートーテーカーと落ち合ってから一緒に教室に向かうのだ。私がドアを開けて入って来たとたんに「おはよう、ミホ」といわれて驚いたことがある。「何で私とわ…

ユニバーサルデザインと合理的配慮

私の勤めるコミュニティ・カレッジには現在約3,700人の学生が学んでいるが、その8%に当る300人には何らかの障がいがある。これは障がい学生サービスセンターに登録をしている人の数だから、実際には登録していない障がい学生を含めたら10%は超えるだろうと…

記憶障がいとノートテイカー

ボルケーノ村からヒロタウンへ行く通勤途中で 前回紹介したアンディ君の第二話。彼はテスト時の配慮のほか、通常の講義の時にはノートテーキング・サービスというのを受けている。つまり自分の代わりにノートをとってくれる人がいるのだが、これは障がい学生…

「合理的配慮」の合理性

国連障がい者権利条約の中で、日本語になかなかうまく訳せない概念に「合理的配慮」がある。日本でもどういう「配慮」ならば「合理的」なのか、争点になっているときく。 配慮の仕方が最もわかりやすいのは、外から目に見える障がい、たとえば全盲の人に対する盲導…

MLKデー

今日(1月17日)はマーティン・ルター・キング(MLK)デーで休日。友人と朝焼けのキラウエアをハイキングしてから近所のレストランでパンケーキ(私)とワッフル(友人)の朝食を食べて帰ってきた。庭で伸びてきたレタスの植え代えを済ませほっと一息つく。…