MLKデー

今日(1月17日)はマーティン・ルター・キング(MLK)デーで休日。友人と朝焼けのキラウエアをハイキングしてから近所のレストランでパンケーキ(私)とワッフル(友人)の朝食を食べて帰ってきた。庭で伸びてきたレタスの植え代えを済ませほっと一息つく。ふと、昔英語のリスニングの勉強を兼ねて何度も聞いたキング牧師の名演説“I Have a Dream” をまた聞いてみたくなりユーチューブチェック。
でも演説を聞く前に調査の寄り道をしてしまう。キング牧師の誕生日は1月15日なのだが、連休にするため毎年一月の第三月曜に設定されている(から日にちは変わる)。83年に制定されたのだが、個人の名を冠した連邦の祝日はジョージ・ワシントンとクリストファー・コロンブス以外にないということで、それまでは祝日反対派も多かったという。州によっては最近まで祝日にしなかったり(ニューハンプシャー)、人権デー(ユタ)とか市民権デー(アリゾナ)とか違う名で呼んでみたり、また別の祝日と合せたり(バージニア)と紆余曲折があったが、今ではどの州でもMLKデーと呼び官公庁は休みだ。
大学で働く私もそのおこぼれにあずかったので、キング牧師にしばし感謝と追悼の意をこめて祈祷。思えば障がい者の人権運動もこのキング牧師が指導した市民権運動が端緒なのだ。アメリカの障がい者差別禁止法の古典的バイブルであるリハビリテーション法(73年)に遵守規定504条を盛り込むことに成功したのは、約一ヶ月に及ぶ全米の障がい者たちの座り込みデモの成果だった(77年)。この後、障がい者にかかわるすべての重要な動きがドミノ式に波及する。自立生活運動、自助組織運動、大型隔離収容施設の解体から地域社会参加へ、障害者福祉の患者モデル(生理医学)から消費者モデル(心理社会経済)へのパラダイムシフト。久しぶりに祝日の本当の意味をよく考えて休んだ一日だった。