カウンセリング

隠された障害

インターンをしていた大学院時代を入れると、かれこれ15年以上障害者の支援に関わってきたが、何年たっても難しい(大事)と思うのは、表向きの障害名に惑わされずに、障害者個人の実生活上の真の「障壁」を発見することである。例えば、ヒロのカレッジには現在…

不安と安心の同居

2月のこの時期、多くの学生が奨学金や学生ローンの申請をするためにラボにやってくる。申請方法がオンラインだからだ。そのうちの一人、ルーディが最近コンピュータを前に一日に数時間も奨学金申請にタックルしている。何回か顔を合わせたある日、「エッセイ…

苦情調査員

普段の仕事とは直接関係ないのだが、今学期はキャンパス内のある極秘調査に関わっている。障害学生サービスセンターに勤め始めて最初の2年間は全く知らなかったことだが、ハワイ大学職員には本業のほかに、特別委員会やら特別プロジェクトやら様々な副次的な…

瞑想とカウンセリング

最近ふとしたことがきっかけで、近所で開かれている座禅の会に参加し始めた。毎週土曜日の朝、鬱蒼とした森林の中の貸し別荘の道場を借りている。もともとヒロで長く座禅会を主事しているアメリカ人夫婦が、50キロ離れた山里ボルケーノ村に住む知人の要請と…

従業員支援プログラム

最近仕事上でちょっとした悩みが続いた。たまたまハワイ大学機構が「従業員支援プログラム(EAP)」☆を無料で提供しているという案内メールを見たので、早速問い合わせ番号に電話すると「ではハワイ島東部担当のカウンセラーから連絡がいきますから待っててく…

あなたのなりたいものは?

ここ数日、今夏に入学してくる(したい)高校生との面談で忙しくしている。私の仕事の一つに高校卒業生のリクルートがあって、高校生をラボに招待したり、自分から高校の特殊教育学級を訪れたりしている。日本と違っていつでも大学に通えるアメリカでは、「…

自殺防止あれこれ

私の勤める短期大学では在籍する全学生数の約9%に何らかの障がいがある(2011年秋学期調査)。このデータは全米平均11%にやや劣るが、おそらく障がい学生サービスセンターに登録していない「もぐり」の障がい学生数を入れれば全国平均に近くなるだろう。ただ、…

コールド・コール

8月に入りキャンパスは新入生でごった返している。カウンセラーや学生課、登録課のスタッフはてんてこ舞いだ。私は上司に頼まれて新入生用の新しいファイルの内容をチェックしているのだが、その中に必須項目の障がい名が記入されてないのがいくつかあった。…

アイ・ステートメント−I Statement

コクア・ラボは、大学が夏休みでも通年営業している。さすがに訪れる学生は少ないがそれでも毎日何人かが顔を見せる。昨日、農業学専攻のチャーリー(5月8日参照)がやってきて、応募した奨学金がもらえることになったという。ラボにいたスタッフみんなで「…

カウンセリングの基本と最大の難関

対話その1 学生:あの、私の英語力では不安なので、ミーティングに通訳をお願いしたいのですが。 カウンセラー:あら、あなたの英語はとても上手よ。あなたはほとんどのクラスメートよりよくできるわよ。対話その2 学生:あのとき、A先生がとても恐かった…