障がい者支援

重度障害者の発言力

新しい上司が着任して引継ぎ事項を手伝っている間にあれよあれよと春学期が終了してしまった。終了直前の週は、秋学期のクラスを登録したり、ノートテーカーや手話通訳などの援助サービスを要求する障害学生がたくさんラボを訪ねた。そのうちの3人、ケオ、…

「特別支援ラボ」

金曜日、上司も同僚も休みだったので一人でラボにいた。金曜日はもともと授業があまりないので普段は余り忙しくないのだが、午後2時過ぎになって同時に二人来た。一人は中年のハリーで私の上司に会いに来たという。「もしかすると私でも役に立てるかもしれな…

何かを変えるということは

9月3日号でコクア・ラボが西洋近代式の個別テクノロジーラボに変わったと書いた。がその後、あまりに障害学生の評判が悪いのと、学生部長自身が考えを和らげたのか、18日のミーティングの結果、「誰でも利用できるマルチ・メディア・ラボ」に再び変わった。…

ゴー・アンド・ビヨンド(I)☆

9月も半ばを過ぎてやっと今学期のノートテーカーの顔ぶれがそろった。昨日まで毎日のように学生アルバイトであるこの職の応募者が絶えなかった。というのは面接の結果採用となった学生でも、家庭・健康・経済事情のためすぐやめざるを得ない人が何人かいた…

高校生から大学生への劇的変換

先週、高校卒業生の大学進学に関する秀逸なオンライン・ライブ講座があった。これはAHEAD☆という全米の教育組織が主催したもので、講師はオハイオ州シンシナティのコミュニティ・カレッジで障害学生サービスセンターのディレクターをしているジェニファー・…

たかが言葉、されど言葉(3)

2月11,12日についで障害関連の言葉を考察する第3回目。昨日、上司がラボへ来て「最近、うちの住所宛先が問題になっているのよね」と言い出した。何でも、封筒や便箋にあらかじめ印刷されている「障害学生サービスセンター」の中の「障害」が気に障り、その…

ノートテーカー三原則

年も新たまって来週から春学期が始まる。わたしの仕事が一番忙しくなるのは決まって新学期開講前後の1,2週間。というのは、ノートテーカーの仕事に応募してきた新規学生を面接し、雇用し、研修した後、彼らのスケジュールと障がい学生のそれとを見比べ、…

レジリエンスその3

15日は期末試験最終日。この日をもって2011年秋学期が終了した。わたしは教師ではなく学生課の常勤職員だから冬休みの間も働くのだが。 15日の朝ラボのドアを開けたとたんニナが入ってきた。「今日テストでもあるの」と聞くと、「天文学のクラスを落第するかも…

レジリエンスその2

先週金曜日から今週の木曜日までファイナル・ウィーク。つまり毎日教室では期末試験が行われている。それで2011年秋学期は終了となる。コクア・ラボには最後のペーパーを書いたりする学生で込み合っている。みな必死か不安の形相で悲壮な感じがするが、私た…

話せばわかる社会とレジリエンス

私の好きな英単語にresilience(レジリエンス)というのがある。日本語の根性とか不屈の精神に似ているが、日本語に比べると苦しみに耐えて、という感じは英語にはあまりなく、どちらかというと人間が自然にもっている精神的肉体的治癒力の感じがある。日本…

守秘義務(コンフィデンシャリティ)

私の仕事の一部には、各学期前にノートテーカーになる学生アルバイトを雇って彼らをトレーニングするというのがある。明日からの新学期に備えて、先週木曜日に新規・継続アルバイトの合同ミーティングをした。各学生にクラスの割り振りをした後、ノートテー…

ふたつのチーム

今週は、障がい学生が普通校での生活を満喫するには、二つの別個のチームがうまく連携・機能することが必要だと再認識した。ひとつは、学生(とその親)が中心になってつくる学生中心の支援チーム。もう一つは、学校でその学生の支援を最初にする立場にある…